ここではないどこかから

ここどこ。フランス田舎町暮らしの中で想うこと、育児・食べること日常のこと、もっとほんわりした括りの雑感を綴りたい。

雪国暮らしの雪辱

ここは雪国だ。日本の東北地方のような豪雪地帯ではないけれど、標高も高く頻繁に雪が降る。今年も11月の初めから雪が降り始め、車のタイヤを冬用に急いで交換してもらった。山の天気は変わりやすいので、晴れ間が見えれば雪はさーっと溶けてなくなることもあるので、冬の間ずっと雪があるというわけでもない。

さて、雪国暮らし2年生となった私は、去年初めてのことだらけで苦い思い出ばかりの雪シーズンを楽しく乗り切りたいと密かに心に決めている。去年は引越してきたばかりの1週間後に大雪が降り始めた。しかし、自分はともかく子供たちに雪用の防寒具はなく、防水でないダウンジャケットはいつもびしょびしょだったし、靴も雨用の長靴しかなかった。娘は長靴も持っていなかったかもしれない・・。まだ車で自由にあちこち行けるほど運転に慣れてもいなくて、もちろん雪道の運転なんかほぼ未経験だったし、そもそも子供用の洋服がどこで買えるのかも知らなかった。今思えば、近くの非営利団体のチャリティーショップでは古着が売っていて、1シーズンしか着ない子供の服なんか手頃に手に入ると知ったのは、ずっと後からで、もっと周りの人に聞いてみたらよかったのだけど・・。そこでAMAZONやら通販サイトで子どもたちの冬用グッズを一式揃えたのだった。

私や夫はこれから届く船便の中に長靴やスノーブーツが入っているからと、履いてきたスニーカーで年末までなんとか凌いでいた。思い出すとやはり惨めだった。

程なくして、2台目の車を手に入れて、私も子供たちの送り迎えに車が使えるようになった時。私はオートマしか運転できないので、夫が苦労して手に入れた予算内のオートマ車の性能はまあそれなりで、坂道を上る馬力が足りない。ちなみに山間部の集落であるこの辺りは坂道だらけ。その冬「雪道の登坂で止まると車は登れなくなる」ということを私は初めて知る。何度もアクセルをふかし、タイヤは空回りし、冷や汗をかきかき、怖い思いをしたこと数知れず・・。ただ、田舎の人たちはいつも手を貸してくれて車を押してくれたり、代わりにハンドルを取ってくれたり、何度も助けてもらった。

昨日、本降りになった雪を見て、夕方のお迎えに備えて駐車場から車を外に出しておこうと外に出た。我が家の駐車場は下った所にあるので、雪が降ると駐車場から車を出せなくなってしまう。これは去年学んだので、本降りになる前に幹線道路に路駐するというのがこの辺りの流儀なのだ。

2年生なりに気を利かせたつもりが、時すでに遅し、駐車場から出る坂道でタイヤは空回り、アクセルをふかしたとたん車体がクルっと1周向きを変えた。パニックになった私は駐車場に戻ろうとバックにギアを入れてアクセルを踏んだら、入口の塀にドンっとぶつけてしまった。完全にあわわわ・・状態の私に、近所のおじさんが声をかけてくれる。「ブレーキを踏まないで後ろ向きに一気に上ってごらん。あとはハンドルをとれば勝手に滑ってくれるから・・」と。でも自信喪失の私はおじさんに「すみませんが、私の代わりにやってもらえませんか?」と運転を代ってくれと懇願してみた。するとおじさんは「あー代ってあげたいんだけど、僕運転しないから・・」と。また頭の中が?だらけになった私に「前から押してあげるからアクセルを踏んで」と引き続きアドバイスをくれたので、言われた通りにやってみたら、事なきを得た・・。ぶつけた場所もバンパーだったので無傷だった。

車を動かすついでに郵便局に行こうとしていた私は、車を元の駐車場に戻して、多少動転したまま郵便局まで歩き出した。郵便局で用を済ませてポケットに手を入れるとあるはずの家の鍵がない。唯一のフード付きダウンジャケットのポケットがホックで止めるタイプで、雪道を歩くと物が滑り落ちるのだ。去年もそれで携帯を落として壊したのだった。携帯は家に置いてきたし、これで鍵がみつからなかったら、私はどうするのか・・と吹雪の中また頭が真っ白になる。とにかく来た道を凝視しながら帰ると、家の前に鍵が落ちているのを発見した。

と、雪国2年生はまた苦い幕開けとなった。まずはポケットがちゃんと閉まる雪用の防水ジャケットを買おう。スキーウェアを普段着にしている村人もたくさんいるけど、私にとっては「それはちょっと」な感じなので、ニューヨーカー的な機能的でおしゃれなやつを探そう。それから雪が降りはじめたら駐車場から車は早めに出そう。それから、困ったときは周りの先輩たちにアドバイスを仰ぎ助けてもらおう。

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