ここではないどこかから

ここどこ。フランス田舎町暮らしの中で想うこと、育児・食べること日常のこと、もっとほんわりした括りの雑感を綴りたい。

空を飛ぶ夢を巡って イタリア旅

夏休み終了カウントダウン家族旅行はニース3泊を経てイタリアはトリノへ。なぜトリノかといえば、なんとなくでしかない。誰かが行ってよかったと言っていたからかな、という程度で、町に関心があったわけでない。とにかくフランス以外の外国に行きたかった。

ニースでは、友達と過ごしている以外の8割は不機嫌だった夫。もともと環境の変化は得意でない。よって旅行中にテンションが上がることはまずない。私は真逆で、珍しい物、普段と違うことに新鮮さを感じてはテンションが上がる。旅の醍醐味はそれ以外に何があるのかくらいに思っている。

そういえば、初めての2人旅はヴェニスへのドライブ旅行だった。夫は当時、長年の夢だったヴェニスへの訪問を、私に提案してくれた。その時はまだ私にいろいろ気を使ってくれていたが、道中も着いてからも不平不満ばかりを口にするので、私のワクワクした気分が台無しになり、途中ぶち切れ二人で喧嘩になったのを覚えている。10年以上前の私にはこう言ってあげたい。「この人こう見えて環境の変化に弱いのよ。アウェイな場所だから不安定になっているけど、そういう性格だから気にしないで。貴方は貴方で楽しみなさい。」と。

まずは、ニース~モナコあたりから夫の機嫌が悪くなり始めた。イタリアの道路を走ることに不安を感じていることを察知した私は、自信がないながらも運転を買って出た。高速道路ならどこも同じだと言い聞かせ。イタリアの高速道路は標識が異常に少なく、法定速度の看板もない。なので、110キロくらいを目安にしていたが、ガンガンと抜かれるので大体130キロくらいが平均だと思って走り続けた。が、そんな高速で走ることに慣れていないし、山越えでトンネルもカーブも多く、終始変な汗をかいていたと思う。そして、私の決死の国境越えを尻目に、家族はみんな眠りに落ちた。「一人にしないで」というその時の心の叫びは、誰にも言っていない。

宿に選んだアパートは、とても素敵で、鍵を引き渡してくれた女性もとても感じが良く、中心街の賑やかな場所にありながら、建物の中はとても静かで快適だった。とりあえず、買い出しと散歩に繰り出して、子供も大丈夫そうなピザ屋で夕食を取ることにした。フランス語とイタリア語は似ているので、単語をイタリア語っぽく発音すると通じたりする。でも、まったくお角違いのこともあって笑われたりすることもあるので、英語で話したほうが無難だ。ピザ屋ではオーダーの内容が間違っていて、どう考えても言葉がわからないのをいいことに沢山注文を取らされたので、夫と共にめちゃくちゃなイタリア語と英語で猛反発したら、店員が折れた。よし、これぞ旅の思い出。子供たちはそんな私たち二人を見てびっくりしたり笑ったり。ちなみに10歳の娘はフランス語と日本語のバイリンガルだが、英語もそれ以外の言葉もまったくわからないので、私たちが知らない言葉を話しているのを不思議そうに見ていた。

街角で聞こえてくるわからない言葉。アラビア語も沢山聞こえた。そのわからない感が、なんともいい感じなのである。ああ、このために外国に来たんだと思っていた。その昔、学生時代の講義で聞いたのか、本で読んだのかは忘れたが、「空を飛ぶ夢」と「言葉の獲得」には関連があるというのを思いだした。言葉を獲得する前、例えばまだ四つん這いの乳児の頃、言葉は上空を飛び交っている。言葉は上の方で行きかっている。言葉を獲得するようになったら、自分が上空で行き交うことばを操り、正に空を飛ぶような全能感を得るということだったと思う。外国語を操れない無能感やフラストレーションも経験があるが、旅に於いては、その無能感が心地良いと感じる。もしかすると私の言葉を操れなかった頃の体験に関連しているのかもしれない。だとしたら、私の乳児期の気持ちはかなりリラックスしていたのだろうか。

「空を飛ぶ夢」と「言葉の獲得」で検索したらこの記事が見つかったので貼っておく。

 

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